オンラインカジノはギャンブルの中でもマネーロンダリングに利用されやすいサービスです。
記憶に新しいと思いますが、2022年9月、山口県阿武町が国の給付金を誤って振り込んだ事件で、当時24歳の男性は「オンラインカジノですべて使い切った」と説明しました。
業界でもこれはマネーロンダリングではないかと議論を呼びましたが、このようにお金の出どころを分からなくするマネーロンダリングはオンラインカジノと相性がいいです。
そこで、この記事ではオンラインカジノがマネーロンダリングに利用される理由やオンラインカジノ側の対策などについて詳しく解説します。
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この記事を読んだらわかること
- オンラインカジノがマネーロンダリングに使われる理由とその手順
- オンラインカジノ側のマネーロンダリング対策
- オンラインカジノでマネーロンダリングをした時の罪状
目次
- オンラインカジノがマネーロンダリングに利用される理由
- 大金が動いている
- 海外に行く必要がない
- マネーロンダリングの手順
- プレイスメント
- レイヤリング
- インテグレーション
- オンラインカジノのマネーロンダリング対策
- 仮想通貨の導入
- オポジットベットが禁止されている
- 入金と同じ方法でしか出金できない
- 入金額と同額以上をベットしないと出金できない
- 出金するには本人確認が必要
- 資金源調査を求められる事がある
- オンラインカジノでマネーロンダリングをするのは犯罪
- オンラインカジノのマネーロンダリングまとめ
オンラインカジノがマネーロンダリングに利用される理由
オンラインカジノがマネーロンダリングに利用される主な理由は以下の2つです。
オンラインカジノがマネーロンダリングに利用される理由
- 大金が動いている
- 海外に行く必要がない
2つの理由について詳しく解説していきます。
大金が動いている
某オンラインカジノ系列の売り上げは年間8000億円以上です。
毎日大金が動くオンラインカジノであれば、マネーロンダリング(汚いお金を紛らわせる)しやすいといえます。
海外に行く必要がない
オンラインカジノであればわざわざランドカジノでマネーロンダリングをする手間が省けます。
ランドカジノは古くからマネーロンダリングの温床となっていましたが、海外に持ち込める現金は米国で1万ドル、EU諸国で1万ユーロまでと定められているため、マネーロンダリング目的でランドカジノに行くのはリスクがあります。
その点、オンラインカジノは電子決済で送金できるので、マネーロンダリングに最適なのです。
マネーロンダリングの手順
マネーロンダリングの手順は、主に以下の3つに分けられます。
マネーロンダリングの手順
- プレイスメント
- レイヤリング
- インテグレーション
それぞれ詳しく解説していきます。
プレイスメント
犯罪で手にした汚いお金を洗浄する最初のステップが「プレイスメント」です。
具体的には、犯罪で手にした現金を小分けにして複数の口座に入金します。
まとまった現金を1つの口座に入金すると怪しまれるため、なるべく細かく分けて疑いがかからないようにします。
レイヤリング
次のステップは、お金の流れを複雑にする「レイヤリング」です。
犯罪で手にした現金を口座に入金し、その後出金するだけではお金の流れが追いやすくリスクがあります。
そこで、以下のような方法でお金の流れを複雑にします。
- 海外の口座に送金する
- 株や債券を購入する
- 不動産や美術品を購入する
- オンラインカジノでチップを購入する
オンラインカジノでチップを購入するのもレイヤリングの手法のひとつです。
「海外の口座に送金した後に美術品を購入する」などレイヤリングの工程が複雑であればあるほど、マネーロンダリングが発覚しにくくなります。
インテグレーション
最後のステップは資金を回収する「インテグレーション」です。
例えば、不動産や美術品を購入した場合、売却することで現金化します。
オンラインカジノでチップを購入した場合は、ゲームで勝った分のチップをすべて現金化すればマネーロンダリングの完了です。
オンラインカジノのマネーロンダリング対策
ここまで読んで「それならオンラインカジノではマネーロンダリングし放題なのでは?」と不安に感じた方もいるかもしれません。
実は、オンラインカジノではマネーロンダリングに対して以下のような対策を行っています。
オンラインカジノのマネーロンダリング対策
- 仮想通貨の導入
- オポジットベットが禁止されている
- 入金と同じ方法でしか出金できない
- 入金額と同額以上をベットしないと出金できない
- 出金するには本人確認が必要
- 資金源調査を求められる事がある
それぞれの対策について詳しく解説していきます。
仮想通貨の導入
1つ目のマネーロンダリング対策は、仮想通貨の導入です。
仮想通貨の取引にはブロックチェーン技術が採用されており、世界中の人が取引の履歴を見ることができます。
データの改ざんはほぼ不可能なため、仮想通貨はマネーロンダリング対策に有効です。
オポジットベットが禁止されている
マネーロンダリングをする際、入金した資金をできるだけ損しないように、ルーレットの赤黒両方に賭けるなど意味のない賭け方を行います。これをオポジットベットと呼びますが、オンラインカジノでは禁止です。
少しでもオポジットベットと疑われるような賭け方をすればすぐにアカウントを凍結します。
入金と同じ方法でしか出金できない
オンラインカジノでは、マネーロンダリング対策として入金と同じ方法でしか出金ができません。
マネーロンダリングにオンラインカジノを利用する目的は、不正に得たお金をオンラインカジノを通じて出どころが分からないお金にすることです。
入金と別の方法での出金を許してしまうと、マネーロンダリングがしやすくなってしまいます。
例えば、銀行振込で入金した場合は、銀行振込でしか出金ができない決まりがあります。
ただし、クレジットカードで入金した場合、クレジットカードでは出金ができません。
例外として銀行振込での出金が可能となります。
入金額と同額以上をベットしないと出金できない
オンラインカジノでは、入金額と同額以上をベットしないと出金ができない決まりとなっています。
例えば100ドルを入金した場合、100ドル以上累計でベットしなければ出金はできません。
中には入金額の3倍以上ベットしないと出金できないオンラインカジノも存在します。
実際にゲームでプレイしてもらうことで、プレイヤー側にもリスクになるので、マネーロンダリングを抑制できる効果があります。
出金するには本人確認が必要
オンラインカジノから出金するには本人確認が必要です。
本人確認書類によってプレイヤーと出金者が同じかを確認することで、マネーロンダリング対策を行っています。
本人確認書類には、以下のような写真つき本人確認書類が有効です。
- 運転免許証
- マイナンバーカード
- パスポート
- 住民基本台帳カード(写真付き)
- 身体障がい者手帳 など
資金源調査を求められる事がある
オンラインカジノの運営会社からプレイヤーに資金源調査を求めるケースがあります。
資金源調査とは、プレイヤーがどのような方法で資金を用意しているかを確認する調査で、マルタのライセンス機関がオンラインカジノ側に義務付けています。
資金源調査で提出を求められる書類は以下の通りです。
- 給与明細
- 納税証明書
- 年金明細
- 株の配当金通知
- 宝くじ・ロトなどの当選通知 など
資金源調査はすべてのプレイヤーが求められるわけではありません。
ただし、オンラインカジノ側から資金源調査への協力を求められた場合、応じないと出金できなくなります。
あらかじめ上記の書類のいずれかを用意しておくと安心です。
オンラインカジノでマネーロンダリングをするのは犯罪
日本においてマネーロンダリングは、「組織犯罪処罰法」と犯罪収益移転防止法の2つの法律によって規制されています。
- 組織犯罪処罰法:マネーロンダリング実行者を罰するための法律
- 犯罪収益移転防止法「:事業者がマネーロンダリングに関わることを防止するための法律
また、各国の政府も国際基準を策定し、マネーロンダリングに対して厳しく監視や勧告を行っています。
オンラインカジノのマネーロンダリングまとめ
この記事のまとめ
- オンラインカジノでマネーロンダリングが行われている可能性がある
- オンラインカジノはマネーロンダリング対策を行っている
- オンラインカジノからマネーロンダリングを疑われると資金源調査が入る事がある
- オンラインカジノでマネーロンダリングを行う事は犯罪
カジノでは古くからマネーロンダリングが行われており、オンラインカジノも例外ではありません。
しかし、オンラインカジノ側もさまざまなマネーロンダリング対策を行っており、簡単にはマネーロンダリングを行えないようになっています。
マネーロンダリングは立派な犯罪です。
オンラインカジノで遊ぶ際はしっかりと利用規約を読み、ルールを守ったうえで楽しんでください。