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スターティングハンドとは、ポーカー、特にテキサスホールデムをプレイする際、最初に配られる2枚のカードのことです。
プリフロップではこのスターティングハンドという情報だけでゲームに参加するかを決める必要があるので、自分の持っているハンドがどれくらい強いのかを知っておくのは勝率を左右する非常に大事な要素と言えます。
このページでは、スターティングハンドの用語といった基礎的な部分から、人数ごとの勝率、ポジションごとのスターティングハンド表など、スターティングハンドの情報について徹底網羅しています。
この記事のまとめ
- スターティングハンドは最初に配られた2枚の手札
- 参加人数によってスターティングハンドは異なる
- ポジションによってスターティングハンドの有効アクションが変わる
この記事はおよそ 12分 で読むことができます。時間がない方は目次を活用しましょう
ポーカーのスターティングハンドとは最初に配られる2枚のカード
スターティングハンドとは、ポーカーのテキサスホールデムにおいて、最初に配られる2枚の手札のことを指します。
この時点ではボードにコミュニティカードは1枚も出ていませんが、最初のベッティングラウンドであるプリフロップが始まるため、プレイヤーは自分のスターティングハンドによってゲームに参加するかを決める必要があります。
スターティングハンドの勝率は覚えておくべき理由
プリフロップでは情報が自分の手札しかないのにゲームに参加するかどうかを決めなくてはいけないため、ある意味最も重要なベッティングラウンドとなっています。
具体的に、ポーカーの6人テーブルの場合、おおよそ20%〜25%くらいの頻度でゲームに参加するのが良いとされています。
しかし、どのスターティングハンドが強いのかを把握していないと、勝負すべき場面でない時にゲームに参加してしまい、どんどん期待値から外れたプレイとなってしまいます。
そのため、ゲームに参加するかどうかを闇雲に決めるのではなく、事前にスターティングハンドの勝率を覚えておくことにより、プリフロップの時点でどれくらい勝てるかが分かるようになります。
その上で勝負すべきか降りるべきかを判断できるようになるため、勝率を上げられると言えるでしょう。
参加人数別のスターティングハンドの勝率
続いて、スターティングハンドそれぞれの勝率について、参加人数別の表で説明します。
初心者の方は、まず1つのスターティングハンド表から覚えましょう。「このハンドなら75%以上」「このハンドなら60%以上」といったように、グラデーションをつけて覚えるとより効果的に記憶することができます。
ただし、2人プレイであれば高い勝率だったハンドであっても、8人プレイになるとかなり順位が落ちるといった場合もあるので、余裕がある方はぜひ全ての表を把握することをおすすめします。
なお、この表に出てくる「s」はスーテッド(マークが同じ)であること、「o」はオフスーテッド(マークが異なる)であることを表します。例えば「AKs」はAとKの組み合わせでマークが同じ、という意味です。
2人対戦時のスターティングハンドの勝率
まず、2人対戦時( ヘッズアップ)の勝率について確認しましょう。
ポケットペアの勝率が圧倒的に高いことに注目してください。AAの勝率はなんと85%!最も弱いペアである22ですら50%以上の勝率を誇るので、それだけペア以上が確定していると言うのはかなりのアドバンテージとなっています。
また、一見かなり強そうに見える「AK」も、88より勝率が低いと言うことから、ペアの勝率がかなり高いと言うことが分かります。
ヘッズアップではかなりのハンドで勝率が50%を超えるので、ある程度強いペアであれば積極的に参加すると良いでしょう。
4人対戦時のスターティングハンドの勝率
続いて、4人対戦時の勝率です。
ここでもAAは63%と比較的高い勝率を誇りますが、50%以上で勝てるハンドはほかにKK、QQくらいしかありません。
また、4人いればワンペアが2人以上いる場合が多いので、下位のポケットペアの勝率が下がり、その分1枚でも大きなカードがあるハンドの勝率が比較的高くなります。
8人対戦時のスターティングハンドの勝率
続いて、8人対戦時の勝率です。
8人対戦すると、たとえAAであっても勝率が35%未満まで下がってしまうことを覚えておきましょう。
プレミアハンドは積極的に勝負に行きたくなりますが、ボードのカードによっては全く歯が立たないというケースが出てきます。
また、8人対戦ではペアよりもフラッシュやストレートで決まるといったケースが少なくありません。
そのため、スーテッドやコネクターなどの投機的なハンドの勝率が若干上がります。その分、AやKを含むだけのハンドの勝率は比較的下がります。
ポジションごとのスターティングハンド表
スターティングハンドの表を把握しても、それによってどのアクションを行うのかが分からなければ勝率アップには結びつきません。
自分がどのポジションにいるかによって最適なアクションは異なります。簡単に言えば、アンダーザガンであればフォールドすべきハンドであっても、ボタンであればオープンベットや3betを打つべき、といった場合もあると言うことです。
以下の項目ではUTG・HJ・CO・BTN・SBとそれぞれのポジションにおけるオープンレイズ時のスターティングハンド(6max, 50NL)について解説します。
アンダー・ザ・ガン(UTG)
UTG(アンダー・ザ・ガン)のスターティングハンド表はこちらです。
UTGのハンドレンジは非常に狭く、上位のポケットペア、Aが絡んだスーテッド、2枚とも大きい数字のハンドくらいでないと参加することはできません。微妙なハンドの場合、大抵のケースではフォールドするようにしましょう。
ハイジャック(HJ)
HJ(ハイジャック)におけるオープンレイズのスターティングハンド表はこちらです。
UTGより少し広くはなりましたが、それでも参加できるハンドは多くありません。
カットオフ(CO)
CO(カットオフ)におけるオープンレイズのスターティングハンド表はこちらです。
COは比較的ハンドレンジが広くなり、およそ3割弱のハンドでオープンすることができるようになります。
ボタン(BTN)
BTN(ボタン)におけるオープンレイズのスターティングハンド表はこちらです。
ボタンになると、とても広い範囲でオープンレイズが可能になります。強いハンドだけではなく、コネクターなど投機的なハンドであっても広く参加することができます。
スモールブラインド(SB)
SB(スモールブラインド)におけるスターティングハンド表はこちらです。
SBにおいてはすでに0.5BBのブラインドを支払っているので、ある程度積極的に参加してもオッズの元は取れます。そのためフォールドする確率はBTNより低く、半分ほどの確率でオープンかコール(リンプ)で勝負するレンジとなっています。
スターティングハンドの名称
スターティングハンドには、特定の組み合わせによって名前が付いているものがあります。例えば数字がペアになっていたり、1つ違いだったり、同じマークだったり、というものです。
そういった特徴のあるハンドは状況が揃うことで勝ちやすくなるので、まずは用語を理解してどういった組み合わせなら有利なのかを把握することが重要と言えるでしょう。
そこで、続いての項目ではそれぞれの特徴あるスターティングハンドについて、名前とともに解説します。
ポケットペア
ポケットペアとは、同じ数字2枚のスターティングハンドのことを指します。
つまり、プリフロップの時点で最低でもワンペアが確定しており、ボードによってはツーペア・スリーカード・フルハウス・フォーカードなどの上位役を狙うことができます。
ポケットペアは各数字あたり4枚しかないそれぞれのカードの中から2枚を引くというかなり難しい組み合わせなので、上位ペアはもちろん、数字が小さい方のペアでも勝率はある程度高いです。
ハイポケット
ハイポケットとは、AA・KK・QQなど、大きな数字で構成されているポケットのことを指します。JJ・TTについてはハイポケットと言う方もいれば、後述するミドルポケットと言う方もいますが、それでもかなり強いことに変わりはありません。
ハイポケットはスターティングハンドの中では最強の組み合わせです。例えばAAの場合、ヘッズアップでの勝率は85%以上!
5枚の共通札があるにもかかわらず85%という確率で勝つことができます。ハイポケットであれば、どんなポジションのプレイヤーでも積極的に勝負していきたい場面と言えます。
ミドルポケット
ミドルポケットは、99,88など真ん中あたりの数字で構成されているポケットのことを指します。
ミドルポケットについてはあまり勝利が期待できない…と消極的に勝負する方が少なくないですが、それは全くの誤りです。ミドルポケットでもかなり高い勝率となっています。
例えばヘッズアップの場合、AKsの勝率が67%なのに対して、88の勝率は69%、99の勝率は72%あります。
ワンペアが確定しているだけでもかなり上位が狙えるため、積極的に勝負していきたいペアと言えるでしょう。
ただ、テーブルの人数が増えるに従ってミドルペアでは分が悪く、勝率はある程度下がります。それでもビッグカード(AKやAQなど大きな絵札で構成されたハンド)と肩を並べる勝率なので、期待して良いハンドと言えます。
ローポケット
ローポケットは、44,33など小さな数字で構成されているポケットのことを指します。
ローポケットについては、投機的なハンドと言えるでしょう。と言うのも、ワンペア同士の勝負になってしまうと、流石に勝てない場合が多くなります。
ただ、ボードにポケットペアの数字が揃うことでスリーカードになりますし、フルハウスやフォーカードなどを狙うこともできます。
また、ゲームに参加するプレイヤーはビッグカードやAXs(スートが同じAと何かのハンド)といった強いカードで勝負する場合が多いので、そこでボードに2や3などが並ぶと相手はハイカードや良くてワンペアなどになりやすいです。そのため決して弱いハンドではないと言えるでしょう。
スーテッド&コネクテッド
スーテッド&コネクテッドとは、マークが同じ、または数字が近いスターティングハンドを指します。
相手がポケットペアでツーペアやスリーカードを容易に作れる場合でも、フラッシュやストレートといった大きな役を作れば文句無く勝つことができます。
スーテッドやコネクテッドのハンドはそういった上位役を作れる可能性が比較的高いため、投機的なハンドとして使えます。
また、フラッシュドローやストレートドローになりやすいため、 セミブラフを積極的に仕掛けることもできます。
ボードの状況が良い場合は、ターンやリバーの可能性に賭けてブラフを打つのもおすすめです。相手をフォールドさせて勝つこともできますし、コールされてもフラッシュやストレートが狙えます。
コネクター
コネクターとは、数字が横並びになっているハンドのことです。「98o」などがこれにあたります。こういったハンドはストレートの可能性が比較的高くなります。
スーテッド
スーテッドとは、スート(ハートやスペードなどのマーク)が同じハンドのことです。「K7s」などがこれにあたります。
こういったハンドはフラッシュの可能性が比較的高くなります。
スーテッドコネクター
スーテッドとは、スートが同じで、なおかつ数字が横並びになっているハンドのことです。「98s」などがこれにあたります。
例えば9♦️8♦️といったハンドを考えましょう。この場合
- QJT98
- JT987
- T9876
- 98765
と4種類のストレートを構成する可能性があります。また、ボードに♦️が3枚出るとフラッシュになります。
流石に43sや32sといった場合は強いハンドになりにくいのでスーテッドコネクターとあまり言うことはありませんが、セミブラフをかなり打ちやすいハンドと言えるでしょう。
スーテッドギャッパー
スーテッドとは、スートが同じで、なおかつ数字が一つとびになっているハンドのことです。「97s」などがこれにあたります。
例えば9♣️7♣️といったハンドを考えましょう。この場合
- JT987
- T9876
- 98765
と3種類のストレートを構成する可能性があります。また、ボードに♣️が3枚出るとフラッシュになります。スーテッドコネクターと並び投機的なハンドとして利用できます。
プレミアハンド
プレミアハンドとは、勝率が高いハンド全般のことを指します。
どのハンドがプレミアハンドなのかと言うのはプレイヤーによって変わりますが、「AA」「KK」「QQ」「JJ」「AKs」といったハンドを指す場合が多いです。
AKo・TT・AQs・KQs・AJsといったハンドを含める方もいます。
プレミアハンドの場合は3bet〜オールインを視野に入れてプレイすべき場面ではありますが、大きな勝負が成立した場合は相手もかなり強いハンドであることが多いので注意が必要です。
スターティングハンドの最強ランキング
スターティングハンドの中でどの手札であれば勝負すべきか、と言うのは参加している人数など状況によって変わります。そこで、スターティングハンドの上位についてランキング形式で表にしています。
グループ | 組み合わせ |
---|---|
グループ0 | AA、KK |
グループ1 | QQ、JJ、AKs |
グループ2 | TT、AK、AQs、AJs、KQs |
グループ3 | AQ、99、88、77、ATs、KJs |
グループ4 | AJ、KQ、QJs、KTs、JTs、AT |
グループ5 | 66、55、44、33、22、KJ、QTs、A9s、A8s、QJ |
グループ6 | KT、QT、JT、A7s、K9s、Q9s、T9s、J9s、A5s、A6s、A4s、A3s、A2s |
グループ7 | A9、K9、98s、87s |
- グループ0の場合、どんな状況であっても勝負しましょう。プリフロップでオールインしてOKです。
- グループ1も基本的にはフォールドを考える必要はありませんが、相手がプリフロップでオールインしてきた時はある程度慎重に勝負しましょう。
- グループ2も十分強いハンドです。3betまではノータイムでOK。4bet以降・オールインを打たれたらフォールドも視野に入れましょう。
- グループ3以降に関しては、ポジションや相手の動向に合わせて判断しましょう。
グループ7までに書かれていないハンドについては基本的に勝負する価値は低くなりますが、ブラフを考えても良いかもしれません。適切な頻度のブラフによって、相手はこちらのハンドレンジを見破りにくくなります。
スターティングハンドで特定のハンドが配られる確率
こちらについてはあまり覚える必要はありませんが、スターティングハンドでそれぞれの条件に合う手札が配られる確率について記載しています。
ハンド | 例 | 確率 |
---|---|---|
特定のポケットペア | AA | 0.453% |
JJ以上のポケットペア | AA、KK、QQ、JJ | 1.81% |
ポケットペア | 22、33、JJ、QQ… | 5.88% |
特定のハンド(ペア以外) | AKs、98o、27o | 1.21% |
スーテッドカード | AKs、98s、27s | 23.5% |
スーテッドコネクター | 98s、65s、87s | 3.92% |
Aとの組み合わせ | AQo、A7s、A3o | 15% |
AQs+ | AKs、AQs、QQ、KK | 4% |
KJs+ | AJs、KJs、JJ、QQ、KQs | 9.5% |
こちらを見ると、ポケットペアが成立する確率は全体の6%未満とかなり低く、Aがハンドに含まれる確率約15%と比較すると珍しいハンドであることが分かります。
その分ビッグカードやスーテッドについては比較的配られやすいので、ゲームに適切な頻度で参加することが求められます。
まとめ:ポーカーのスターティングハンドの勝率は覚えるべき
ポーカーにおけるスターティングハンドの勝率を覚えることは、どのハンドでゲームに参加すべきか?という判断に直結します。
ゲームの勝率を把握した状態で参加するかどうか決められるため、期待値の高いハンドで適切に勝負を仕掛けることができ、その分自身の勝率を上げることにつながります。
さらに、相手がどのハンドで参加してきているのか?といったこともスターティングハンド表を把握すると分かるようになるため、ポーカー初心者脱出のためにはスターティングハンドを覚えるのは必須と言えるでしょう。
また、ハンドレンジを覚える際、スターティングハンドの勝率を把握しておくとかなり記憶しやすくなるので、全ての参加人数の勝率を覚えるのが理想です。
ただ、最初は1つだけでも表を覚えて、マスターしたと思ったら別人数の表も暗記してみてください。闇雲に勝負するよりもより効果的にチップを増やせるようになりますよ!
Bell
(ウィナーズクラブ管理人)
ポーカーのスターティングハンドは、ゲーム開始時に配られる2枚の手札のことです。役の強さと勝率によって評価され、強いハンドほど勝率が高くなります。プリフロップではこの情報だけでゲームに参加するかを決めるため、ポーカーの初心者もスターティングハンドの強さを覚えることは重要です。