2023年に行われた最高峰のポーカーイベント「ワールド・シリーズ・オブ・ポーカー(WSOP)」では日本人が多数入賞するな…
現在、「ポーカー」が大きなブームとなっていることをご存知でしょうか?日本でもアミューズメントポーカー施設は人気を集めており、ポーカー好きを公言している俳優の方も多くいらっしゃいます。
また、国内で1億円規模の大会が開かれたり、最も大きい世界大会では10億円以上の優勝賞金が用意されていることも…とはいえ、ポーカーはルール自体は簡単ですが、その戦略は非常に多岐に渡っており初心者にはハードルが高いといえます。
「初心者向けのポーカー戦略」と銘打たれたサイトですら、用語が難しくて理解できないなんてこともあります。
そこでこのページでは、「ポーカーはどんなゲームなの?」といった初心者の方でも分かるように、ポーカーの初心者向け戦略をとても分かりやすく説明しています!
ポーカーは遊んでみたいけど、難しそう…という方にこそおすすめの記事となっています。
この記事のまとめ
- テキサスホールデムで大事なのは「相手をフォールド(降ろす)させる」こと
- ハンドレンジ表を覚えて、バンクロールの管理を徹底しよう
- 勝つためにはまずポーカーの定石を知ること!大きく負けない立ち回りの仕方を覚えよう
この記事はおよそ 10分 で読むことができます。時間がない方は目次を活用しましょう
ポーカーとは?
まず、トランプゲームの「ポーカー」とはどんなゲームなのか、についておさらいしておきましょう。
ポーカーとは、簡単にいうと「5枚のカードで役を揃える」ゲームです。参加しているプレイヤーの中で、最も難しい役を作った人が勝ちとなります。
ポーカーには様々な種類がありますが、遊びとしてよく行われるのは「いらないカードを捨てて、新しいカードと交換する」ゲームではないでしょうか?これはドローポーカーと呼ばれるゲームで、こちらも人気があります。
ですが、現在世界で最も遊ばれているポーカーは「テキサス・ホールデム」です。
そのためこのページでは、テキサス・ホールデムをプレイする際の戦略について解説します。
ポーカーの遊び方
続いて、テキサス・ホールデムはどのようなゲームなのかについて解説します。
テキサスホールデムでは、プレイヤーに配られる手札は2枚しかありません。カードを交換することもできません。
その代わり、5枚の「コミュニティカード」が公開されます。このカードは参加しているプレイヤー全員に共有されており、誰でも利用することができます。
つまり、プレイヤーは自分の手札2枚とコミュニティカード5枚、合計7枚のカードから強い組み合わせとなる5枚を選んで役を作ります。
途中、チップを賭けるタイミングがあります。ゲームに参加し続ける場合は賭け金を増やすことができますが、負けそうだと思ったらチップを賭けずに降りてもかまいません。
最終的に降りなかったプレイヤー同士で手札を公開して、より強い役を作ったプレイヤーが勝ちとなり、賭けられているチップ全てを獲得することができます。
ポーカーの実際の流れ
ポーカー(テキサス・ホールデム)の実際の流れについて、簡単に説明します。
- ゲーム開始前にディーラーボタンの位置を公平に決め、左隣の2人が「スモール・ブラインド」と「ビッグ・ブラインド」としてチップを強制的に賭けます。
- プレイヤーに2枚のカードが配られ、これを「プリフロップ」といいます。ベット、コール、レイズ、フォールドのアクションが選択されます。全員が同じ金額をベットしたら次に進みます。
- コミュニティカードのうち最初の3枚が「フロップ」として公開され、プリフロップと同様にアクションを選択し、全員が同額ベットで次に進む。フロップ以降は「チェック」も可能。
- 続いて、4枚目のコミュニティカードが公開されます。これを「ターン」と言います。フロップと同様、全員が同じ金額をベットすると次へ進みます。
- 最後に5枚目のコミュニティカードが公開されます。これを「リバー」と言います。全員が同じ金額をベットするとラウンドは終了です。
- この時点で2人以上のプレイヤーが残っている場合、手札をそれぞれ公開します。これを「ショーダウン」と言います。最も強い役を揃えたプレイヤーが、ポット(その時に賭けられていたチップ)を獲得することができます。
ここまでが1ゲームの流れです。このゲームを繰り返していき、チップがどれくらい増えたか(減ったか)で勝敗が決まります。
ポーカーのハンドの強さ
まずポーカーを遊ぶ上で最初に覚えるべきものは「ハンド(役)」です。
麻雀も役を覚えていないとどの牌を捨てるべきなのか分からないように、ポーカーでも役を覚えていないと自分がどれくらい勝てる可能性があるのかを判断することができないので、ポーカー役と順番については必ず覚えておきましょう。
特に、「フォーカード > フルハウス > フラッシュ > ストレート > スリーカード」あたりは混同しがちなので、順番を間違えないようにしましょう。
相手と同じ役の場合はキッカーで勝敗が決まる
ショーダウンを行った時に、同じ役が成立していた!というケースは多く見られます。もし相手と同じ役だった場合、まず「役を構成するカード」のランクが高い方が上位になります。
例えば、2人の役が同じスリーカードだったとしましょう。
自分「4, 4, 4, J, A」
相手「7, 7, 7, Q, K」
という組み合わせだったら、4のスリーカードを持っている自分より、7のスリーカードを持っている相手の方が上位となります。
ちなみに、数字のランクは「2」が最弱で、3,4,5…と数字が大きくなるほどランクが上がっていき、「A」が最強となります。
しかし、役を構成するカードのランクも同じ場合があります。例えば、
自分「7, 7, 7, J, A」
相手「7, 7, 7, Q, K」
という場合、どちらも7のスリーカードを持っていますね。
この時は、役を構成していないカードのうち、最もランクが高い数字同士で勝負します。このカードを「キッカー」と言います。
この場合、自分のキッカーはA、相手のキッカーはKとなるので、自分の方が上位になります。
ポーカーの初心者がまず覚えるべき戦略
以上のことを踏まえた上で、ポーカーの初心者がまず覚えるべき戦略について解説します。
なお、今までに出てきた用語については説明なしで利用するので、「この言葉なんだったっけ?」と思った時は前の項目に戻って確認することをおすすめします。
相手をフォールドさせる
ポーカーは、とにかくショーダウンした時に手札が強い方が勝ち!と思いがちですが、それはショーダウンまで決着がつかなかった時だけの話です。
ポーカーには2つ目の勝利条件があります。それは「自分以外の全員がフォールドする」ということです。
そのため、自分の手札が弱かった場合でも、相手をフォールドさせることができればポットは手に入ります。そのため、いかにも自分は強いハンドである、とアピールすることで、相手を降ろすという戦略が有効です。これを 「ブラフ」と言います。
ただし、相手が降りずにショーダウンしてしまうと、「あの人はブラフを打ってくる」と周りの人に気付かれてしまうので、ブラフのしすぎには注意しましょう。
むやみにコールしない
また、初心者の方にありがちなのが「ゲームに少しでも多く参加したい」とどんなハンドでもコールしてしまうというケースです。このプレイングを「コーリングステーション」といい、初心者であることがバレてしまいます。
プロのプレイヤーでも8割はフォールドするのがポーカーです。逆に言えば、参加するプレイヤーは基本的に上位2割のハンドなので、あまり強くないハンドで参加しても勝つのは難しいと言えます。そのため、どんなハンドでもコールで参加するというのはやめた方が良いです。
また、プリフロップでビッグブラインドと同額をベットすることを「リンプ(リンプイン)」と言います。リンプは超上級者であれば何かしらの戦略があってプレイしていると考えられますが、そうでなければほとんどが初心者の行動です。
初心者のうちは必ずリンプインは避け、参加するときはオープンレイズ(最初にレイズすること)を仕掛けましょう。
勝てるか迷うハンドはフォールドする
勝てるかどうか微妙なハンドのことを「マージナルハンド」と言います。AAやAKといったプレミアハンドには及ばないけど、スートが同じだったり連番だったりと、フラッシュやストレートが狙いやすいハンドなどがこれに該当します。
こういったハンドは、消極的なプレイングが求められます。
弱いハンドでブラフを仕掛ける時や強いハンドで強気に勝負する時とは異なり、マージナルハンドの場合は基本的にチェックやコールで回りましょう。
そして、相手から強いアクションを仕掛けられた時は、素直にフォールドするのが基本です。
「弱いハンドの方が積極的に勝負すべきである」というのはあまりピンと来ないかもしれません。しかし、弱いハンドでブラフを仕掛ける理由は、相手をフォールドさせてチップを獲得したい(=ショーダウンはなんとしても避けたい)からです。
マージナルハンドの場合は、もしかするとショーダウンしても勝つ可能性があるため、小さいポットであればチェックで様子を見ます。しかし相手の強気なベットが見られた場合は素直にフォールドした方が期待値は上がります。
長期的に勝負する
ポーカーは、あまり1ハンドごとの勝負には意味がありません。同じ1勝でも、全員がプリフロップで降りて手にした1勝と、ショーダウンまで進んで獲得した特大ポットの1勝では全く価値が異なります。
ポーカーゲームの本質は「チップの奪い合い」です。自分のチップをどれだけ増やせたか、というのがポーカーにおける最も重要な評価ポイントとなります。
短期では負けてしまったとしても、正しいプレイングを続けていれば長期的には勝ち越すことができるゲームなので、あまり最初から結果を出すことを最優先にしないようにしましょう。
ポーカーで勝率をあげるための6つのコツ
チップを奪い合うという性質上、初心者の頃は負け続きになってしまうかもしれません。
マイクロステークス(賭け金の少ないゲーム)の場合は同じような初心者の方も多いので戦いやすくはありますが、ベット額が上がるにつれて周りのレベルも上がっていくためどんどん勝ちにくくなっていきます。
そのため感覚でこのハンドはフォールド、このハンドはブラフ…とプレイしていると、長期的にほぼ間違いなく損をしてしまいます。
そこで、ポーカーで勝率を上げるためのコツについて解説します。
相手の戦略を分析できるようになる中級者以上であればアレンジを加えることもできますが、とにかく初心者の頃はセオリー通りに遊ぶことを鉄則としてプレイすることをおすすめします。
①ハンドレンジ表を覚える
まず、プリフロップにおけるハンドレンジの表を正確に覚えましょう。
「ハンドレンジ」とは、このハンドならオープンレイズする、このハンドならフォールドする、などの戦略をまとめた表のことを指します。
オープンに対してコールするか、レイズするか、3betするかといった様々な表があり、またポジション(自分がアクションを起こす順番のこと)によってもレンジが異なるので全部覚えるのは初心者の方には難しいですが、ある程度は事前に覚えておくと良いです。
と言っても覚える量は膨大なので、 「GTO Wizard」というツールを使用して勉強するのがおすすめです。
このツールはポーカーの最適戦略であるGTOを覚えるのに適したソフトであり、初心者から上級者まであらゆるポーカープレイヤーが使っています。
②対戦相手のレンジを読む
同じ卓のプレイヤーであれば、その人がどのようなハンドで特定のアクションを行っているのかを見る機会があります。
例えば「この人は高い頻度でレイズをしているアグレッシブなプレイヤーだ」「この人はとにかくコールをする傾向にある」と言ったことを読み取ることができれば、対戦相手のハンドレンジを把握して自分のアクションを決めることができます。
例えば、アグレッシブなプレイヤーがレイズしてきたという場合、自分はそのレイズに対してどうアクションすべきでしょうか?
一般的なプレイヤーであればフォールドすべき場面でも、この人はレイズのレンジが広いから勝負できるはず、としてコールや3betを返すことができます。逆に、慎重なプレイヤーがレイズしてきたら、実際はコールする場面でもフォールドが有効かもしれません。
このように、対戦相手のハンドレンジを把握していくことで、自分の適切なアクションが分かるようになります。
③ブラフを適切にいれる
自分が強いハンドを持っていると見せかけるアクションを行うことをブラフと言いますが、ブラフはし過ぎてもし過ぎなくてもいけません。
ブラフを多用すると「この人は弱いハンドでも積極的にプレイしてくる」と周りに覚えられますし、ブラフをし過ぎない場合「この人がレイズしたらすぐにフォールドしよう」となってしまうので、ブラフは適切なタイミングで行うことが求められます。
ブラフを成功させる一番重要な要素はストーリーです。私はこのハンドを持っていた、だからレイズする、と言った流れが必要です。ただし、ストーリーは綿密に作らないと相手にバレてしまいます。
例えば、あなたがプリフロップで最初にレイズをしたとしましょう。その後、「9♣️・5♦️・2♠️」というボードになったとします。この時、フロップであなたはもう一度レイズをすべきでしょうか?
これはほとんどの場合、レイズをすべきではありません。最初にレイズをしたプレイヤー(オリジナルレイザーと言います)はそれなりに強いハンドを持っているはずなので、2, 5, 9でヒットする可能性はかなり低いはずです。
そのためこの状況でレイズするとストーリーがバレる危険性があるため、チェックの方が適切と言えるでしょう。
逆に、A1枚がボードに落ちている場合はベットすべき場面と言えます。このように、ブラフはストーリーがバレるのが一番の悪手なので、「このハンドを持っていると見せかける」という考えが必要です。
④プレイスタイルを選択する
ポーカーのプレイスタイルは大きく分けて4つあります。
- タイト / ルース
- パッシブ / アグレッシブ
どのプレイスタイルの方が勝ちやすい、という指標ではありませんが、自分がどのようなスタイルでゲームに参加するのかは非常に大事です。
特に、相手に自分がどのスタイルで参加しているのかを印象付けておき(アドバタイズと言います)、途中でスタイルを変更することで試合運びを有利にすることができます。
4つのプレイスタイルについては、下の項目で詳しく解説します。
タイト(堅実)・ルース(大胆)
タイト(Tight)は堅実に立ち回るスタイルのことです。
ハンドがある程度強くない限りはゲームに参加せず、また勝てる見込みが減ってくると早めにフォールドで損切りします。ゲームの参加率がおおよそ20%以下のプレイヤーが該当します。
勝率が高い時にゲームに参加するので負けるリスクが減るというメリットがある一方、チップを入手するチャンスも減るというデメリットがあります。
ルース(Loose)はタイトプレイヤーより広めに勝負するスタイルのことです。
ハンドが弱い場合でもゲームに参加することが多く、またフロップ以降もなかなか降りません。ゲームの参加率がおおよそ35%以上のプレイヤーが該当します。
チップを獲得できるチャンスが多く、ブラフが成功しやすいというメリットがある一方、大きく負ける可能性も増えるデメリットがあります。
タイトとルースはどちらも一長一短であり、どちらのスタイルの方が正しいというわけではありません(初心者の方はタイトがおすすめです)。
パッシブ(受け身)・アグレッシブ(積極)
パッシブ(Passive)は受動的、受け身なスタイルを指します。
このプレイヤーはあまりベット・レイズを好みません。プリフロップでもリンプインやコールを好みますが、フォールドについてもあまり行うことは無く、相手の積極的なレイズにもコールで応戦します。
アグレッシブ(Aggressive)は積極的なスタイルを指します。
ゲームに参加するハンドを吟味し、このハンドで勝負する!と決めたら積極的なベット・レイズ・3betを行います。ただし、勝てないと判断した時はコールではなくフォールドで対応することが多いです。
一般的な戦略としては、パッシブよりもアグレッシブなプレイヤーの方が勝ちやすいと言われています。パッシブを使いこなせるのは上級者以上のプレイヤーに限られるため、初心者の方は積極的なプレイングがおすすめです。
⑤自分のポジションによって戦略を変える
テキサスホールデムにおいて、アクションを決める順番=ポジションは最も重要な要素の一つと言って良いでしょう。
原則として、アクションについては後に行うプレイヤーの方が有利です。先のプレイヤーのアクションという情報がある分、自分のアクションを判断しやすいからです。
そのため、自分のポジションによって「このハンドで参加すべき」という基準が異なります。例えばUTGではフォールドすべきハンドでも、COやBTNであればレイズする、といった場合があります。
ハンドレンジ表で確認の上、ポジションに応じて戦略を臨機応変に決めると良いでしょう。
⑥バンクロールと賭け金の管理をする
ポーカーは連続して勝つことも勿論ありますが、連続して負けることもあります。特に、ノーリミットで賭けられるテキサスホールデムでは、ちょっと大きな勝負に連敗するだけでも相当なマイナスになる可能性もあります。
そのため、上級者であっても賭け金の管理をしていないと手持ちの資金が無くなってしまうといったことも考えられます。
ポーカーに利用できる手持ちの軍資金を「バンクロール」と言いますが、バンクロールをきちんと管理しておくことで、ポーカーを長く楽しむことができます。
おおよその基準としては、キャッシュゲームをプレイする際は100BBが必要です。例えば「$0.05 / $0.10 NL」というステークスなら10ドルをバイインします。
そして、この状況でバンクロールには最低でも200ドルは欲しい所です。分散が激しいポーカーゲームだからこそ、バンクロールはある程度余裕を持つべきと言えます。
ポーカーが上達する近道はオンラインカジノで練習すること
ここまでポーカーの基本戦略について解説してきましたが、座学では覚えられないことも多いでしょう。ポーカーを上達させるために、やはり一番大事なのは実戦です!
勿論自分のフィーリングで適当に遊んでも実力は付きませんが、「今日はこの戦略を試してみよう」「UTGのハンドレンジを覚えるぞ」など、課題を設定してプレイすると良いでしょう。
そして実戦終了後にどのような点が良かったか・反省すべきかを見直せば完璧!実力がメキメキと上昇する…かもしれません。
オンラインカジノやオンラインポーカーサイトではプレイヤー同士でテキサスホールデムなど様々な種類のポーカーを楽しむことができるので、ぜひプレイしてみてはいかがでしょうか?
まとめ:ポーカーの必勝法は定石を知ること
テキサスホールデムなどのポーカーで勝つためにまず大事なことは「セオリーの把握」です。ルールを覚えたら、まずは定石を知ることが初心者を脱出する第一歩と言えます。
とはいえ、テキサスホールデムだけでも定石というのはかなり手広く、勉強するのはかなり大変です。そのため、まずは「勝つための方法」よりも「大きく負けないための方法」を覚えるのが最も大事と言えるでしょう。
ポーカーの書籍やウェブサイトなどで学習し、ポーカーサイトで実戦を積むことによって、よりレベルの高いゲームを楽しめるようになるはずです。
Bell
(ウィナーズクラブ管理人)
大流行しているテキサスホールデムポーカーですが、専門用語も多く、敷居が高いということで尻込みしている方も多いのではないでしょうか?
このページではテキサスホールデムの流れ・基本戦略・勝つために必要なコツを解説しているので、初心者の方は参考にしながらプレイしてみてください。